こんにちは。今年4月からMITUBACIのチームに加わった、新人職人の高田です。
私は日々ワークショップを担当したり、先輩職人に教えてもらったりしながら、少しずつ職人としての技術を学んでいます。新人としての視点から、日々の仕事を通して感じることや気づきをこうしてブログというかたちで綴っていけたらと思っています。
今回は、MITUBACIで働く職人たちの「MITUBACIの仕事以外でのものづくり」に焦点を当ててみたいと思います。
「ものづくり」は暮らしの一部
というのも、私がMITUBACIに入って気づいたのが、ここの職人たちは、本当にものづくりが好きなんだなあということでした。もちろん、職人である以上、ジュエリーの制作が好きであるのは当然かもしれません。でもそれだけでなく、勤務時間以外や休日にも自分の手で何かを作っている人が多いんです。
ある人は金工と刺繍を組み合わせたアクセサリーを、自宅でもこつこつと制作していたり。ある人は、「ないものは買う前につくってしまおう!」と、様々な道具を使いやすくDIYしたり、、、
ものをつくることが、仕事とプライベートの境界を越えてごく自然にその人の生活に根付いている。そのことが、入社してから私にとってとても印象深いことでした。
私自身もジュエリーに限らず、手を動かして何かをつくることが好きです。空いた時間に手芸や工作をしたり、身の回りのものを少しだけ手直ししてみたり。職人としてはまだまだ学ぶことの多い身ではありますが、「ものをつくること」を通じて感じる楽しさや充実感には日々共感することばかりです。
だからこそ、MITUBACIの職人たちがプライベートでも当たり前のように手を動かし、自分の表現を楽しんでいる姿にとても惹かれました。仕事以外でもものづくりに親しみ、手作りすることが日常の中にあるのって素敵ですよね。職人たちのそんな部分に触れることで、つくり手としての姿勢をもっと知ることができる気がしたんです。
そしてそんな姿をご紹介することで、皆さんにも私たちMITUBACIのことをもっと知っていただけたら嬉しいです。
黄さんという、もう一人の新人職人
さて、その第一弾としてご紹介したいのが、私と同時期にMITUBACIのメンバーとなった、新人職人の黄さん。
黄さんは台湾出身の職人です。台湾の美術系の大学で油絵を専攻しながらも、絵画にとどまらず、金工や刺繍、廃材を使ったアート作品など、幅広いジャンルに挑戦してきたそうです。もともとはアートのコンセプトを考えたり、美術的な表現に取り組んだりしていた黄さんですが、次第に「実際に手に取れるもの」「商品として人の手に渡るもの」を作ることへの興味が高まり、より実用的なものづくりの世界へと関心が移っていったんだそう。
大学時代には刺繍にも夢中になっていた黄さん。自身で刺繍を施したアクセサリーを制作し、台湾のお店で販売していた経験もあります。アクセサリーの制作をつづける中で、「布や糸だけでなく、異なる素材にも挑戦してみたい」という気持ちが芽生え、金属という素材にひかれてジュエリー制作の道に進むことに。

日本に来たきっかけは、幼いころ家族と何度か訪れた日本での思い出が強く印象に残っていたこと。加えて、日本で働くことを勧めてくれた家族の後押しもあり、大学卒業後に1年間日本語学校で学んだ後、MITUBACIのメンバーに。
現在の黄さんは、MITUBACIでのワークショップを担当しつつ、職人としてのスキルを磨いている段階。そんな日々の中でも、刺繍や金工作品の制作を続けていて、先日その作品の一部を見せてもらう機会がありました!
小さなブローチの中に細やかな刺繍と金属の質感が組み合わさって、まるで小さな物語が詰まっているみたい…!

とてもかわいらしい、黄さんらしい作品だなあと思って、見ていてとても心が動きました。

また、黄さんはMITUBACIの新店舗オープンを記念して配布していたノベルティのトートバッグに、自身で刺繍を施して可愛くアレンジしていました。ビーズの刺繍がMITUBACIのロゴを彩って素敵ですね。

今後も、MITUBACIの職人や、職人たちのものづくりについて、少しずつご紹介していければと思っています。ものづくりが好きな方、作り手の姿に興味がある方に、少しでも何か伝わるものがあれば嬉しいです。