一通のメールに込められた物語

「一生モノの宝物を作る気持ちでお伺いします。楽しみで仕方ありません♪」
ご来店前、そうメッセージをくださったH様。
当初はプラチナかゴールドか、当日相談して決めたいというご予約でしたが、その背景には、言葉では言い尽くせないほど深い、愛犬への想いがありました。
長い時間を共にした、大切なパートナー
ご来店の少し前、H様からLINEで一通のご相談をいただきました。 それは、長年共に歩んできた愛犬(イタリアングレーハウンドくん)とのお別れ。
一緒に過ごした時間を、ただの「過去」にするのではなく、これからもずっと自分の肌に触れる場所に留めておきたい。
H様が選んだのは、ご自身の手で作るK18イエローゴールドのバングルでした。
「余白」に込めた物語
H様は、スケッチと共に、刻印の配置について非常に具体的なご要望をくださいました。
そこには、愛犬を象徴する「星」の刻印と、彼が生きた証、そして今も続いている「絆」を意味する言葉が含まれていました。
特にお客様がこだわられたのは、具体的な数字で表された、刻印と刻印の間の絶妙な距離(余白)です。 この数字は、彼と歩んだ歴史を象徴する、最も大切な距離。
「彼が歩んだ足跡を一つの物語にしたい」
ミリ単位で指定されたその配置は、単なるデザインではなく、H様の心の中に描かれた「彼と歩んできた道」そのものでした。
職人と共に形にする「守護」の輝き

当日、工房でH様は真剣に、そして慈しむように地金を叩き、バングルを仕上げていかれました。
選ばれたゴールドの輝きと色味は温かみのあるイエローゴールド、H様によくお似合いの色味でした。
詳細なデザインは、H様だけの秘密。 けれど、完成したバングルを腕に通した時の、H様の少し引き締まった、それでいて安心されたような表情が、このジュエリーが持つ「守護(アミュレット)」としての意味を物語っていました。
職人との対話が生んだ「本当の宝物」
製作を終えられたH様から、大変温かいメッセージもいただきました。
「こだわりが強いデザインにも丁寧、親切に対応いただき、新たな提案もくださって、本当に欲しい宝物を手に入れることが出来ました!予約の段階でも丁寧親切にご相談にのっていただき、安心して今日を迎えることが出来ました。楽しい時間、良きご縁をありがとうございました!」
(神奈川県在住・H様/2026年3月ご来店)

H様が大切にされていた「ミリ単位の距離」や「星の配置」。 そのこだわりを、単なる作業として受けるのではなく、私たち職人も一緒になって「どうすれば一番美しく、想いが形になるか」を考え、ご提案をさせていただきました。
職人とお客様でお話しして、文字の大きさや向き、内側や外側のデザインを決め、最終的には手打ち刻印とレーザー刻印を両方使うことにしました。
「自分の手で作る」ということは、単に形を作るだけでなく、そのプロセスにある「安心」や「対話」も大切な思い出の一部になると信じています。
ジュエリーは、想いを運ぶお守りに。
一緒に過ごした日々の思い出を腕に。 バングルに刻まれた星が、これからもH様の手元で、静かに、力強く、未来を守り、照らし続けてくれることを願っております。
三軒茶屋の工房は、いつでもここにあります。 またいつか、バングルの様子を伺えるのを、職人一同、楽しみにしております。
※お客様に掲載の許可をいただいております


